飲食店でお酒を販売したい!酒類販売業免許専門行政書士が分かりやすく解説。お酒を販売するには免許が必要です。
酒類販売業免許申請の専門行政書士事務所、スイング行政書士事務所です。
酒類販売業免許申請を専門業務としており、年間でも相当数の相談や依頼を頂いています。
今回は、お酒を販売するために必要な「酒類販売業免許」についてご説明します。
YouTube動画でもご覧いただけます。
飲食店開業や既存の飲食店でお酒を販売したい!
ここで言うお酒の販売とは、通常飲食店で料理と一緒に提供しているお酒ではありません。
来店客の方に持ち帰ってもらうための未開栓のお酒の物販となります。
例えば、お店で出しているお酒が気に入って、お客さんがこのお酒を買って帰りたい申し出た時に、販売することができるようにすることで、客単価を大きく上げることが出来ます。
また物販は、陳列販売するだけですので手間がかかりません。
飲食業は基本的に多くの手間がかかり、それが人件費に大きく反映されています。
このような中で、少しでも手間がかからず比較的単価の大きい酒類の物販を、飲食店と併設して行うことで収益性アップが図れます。
また、競合する他店との差別化にもなり、「あのお酒を飲み切ってしまったし、また買いたいから、また飲みに行って帰りにお酒も買って帰ろう!」と思っていただけるようになると、良い方向で事業が回りだすかもしれません。
そんなメリットが大きい酒類販売ですが、誰でもお酒を仕入れて気軽に販売できるようなものではありません。
酒類販売を行うには、酒類販売業免許を販売するお店の場所で取る必要があります。
この酒類販売業免許は、なかなか取ることが難しいとされており、許認可を依頼者に代わって代理で申請する業務を行う専門家である行政書士でも、やったことがある先生は結構少なくて、ましてや専門的に酒類販売業免許申請に特化している行政書士は全国でもかなり少数になります。
また、通常の酒類販売業免許申請と異なり、飲食店で免許を取得する場合は難易度が高くなります。
スイング行政書士事務所の行政書士千葉は、過去に飲食店経営をしていたことがあり、しかも酒類販売業免許申請を専門的に行っている行政書士です。
今回は、飲食店にとっても魅力的な酒類販売業免許がどのようなものなのか?について考えてみましょう。
酒類販売業免許とはどのようなものか?
お酒を販売する事業を行いたい場合には、酒税法の規定に基づき、販売場ごとにその販売場の所在地の所轄税務署長からの酒類販売業免許を受ける必要があります。
つまり税務署に対して申請をして、お店がある場所を管轄している税務署長から免許の交付を受けることになります。
酒税の確実な徴収と消費者への円滑な転嫁のために、このような免許制度が採用されています。
先でも触れましたが、そもそもお酒の物販とは何でしょうか?
お酒なら飲食店でお客さんに提供しているけど、何が違うの?と思われるかもしれません。
明確な違いは、飲食店で提供するお酒は、グラスやジョッキに注がれたお酒や、ボトルでも開栓したものが提供されます。
しかしスーパーやコンビニで売られているお酒は、当然開栓されていません。つまり未開栓です。
当たり前と言えば当たり前ですが、買って持ち帰るために小売の商品として「物販」で販売しているのですから、未開栓ですよね。
余談になりますが、私が以前、動画サイトで動画を観ていたら、インターネットカフェか漫画喫茶で缶ビールを注文したら、缶のプルタブが開いていて「他人が開けたのが気持ち悪くて嫌だ、、」みたいなことを言っていましたが、そのお店は酒販免許は持っていないのであくまでもお酒は開栓して提供することになりますので、そのお店がやられていることは法令遵守しており正しいことだと言えます。
ちなみに飲食店営業は保健所から飲食店営業許可を取って営業することになります。
酒類販売業免許には酒類がたくさんあって、ふさわしい免許を選ぶ必要がある
酒類販売業免許は大きく分けると「小売業免許」と「卸売業免許」の2つになります。
小売業免許はさらに3つに分かれており、卸売業免許はさらに8つにわかれていますので、酒類販売業免許は11種類あります。
ここでは触れませんがその他に「媒介業免許」などもあります。
小売業免許
消費者、料飲店営業者又は菓子等製造業者に対して酒類を継続的に販売(小売)することが認められる酒類販売業免許となります。
分かりやすく言いますと、一般消費者向けに販売している酒屋、お酒を売っているコンビニやスーパーなどの店舗や、飲食店向けにお酒を販売している(配達サービスもしている場合が多い)業者、ネットショップやカタログ販売等で注文を受けて通信販売している業者などが対象になります。
飲食店の店頭で陳列販売でお酒を売りたい場合もこの小売業免許を取得することになります。
酒類小売業免許には、さらに3種類の免許があります。
- 一般酒類小売業免許
- 通信販売酒類小売業免許
- 特殊酒類小売業免許
一般的に関わってくるものはそのうち下記の2種類です。特殊酒類小売業免許はまず関わることは無いかと思いますので割愛します。
一般酒類小売業免許
一番イメージしやすいのは、コンビニやスーパー、酒屋などの店頭販売です。店舗を構えているイメージが強いですが、飲食店向けに配達をするような業態では店舗ではなく事務所や倉庫のような販売場になる場合もあります。
お酒の種類を品目と言いますが、一般酒類小売業免許では全ての種類の酒類を扱うことができます。
つまり、日本酒でも焼酎でも、ワインでもビールでもウイスキーでも品目の制限なく扱うことができます。

また、販売場のある近隣であれば通信販売も可能です。(近隣の定義があいまいですが、一般的には販売場がある同一県内だと考えれば良いでしょう)
※販売場とは免許を取る場所のことです。飲食店で酒類小売業免許を取るなら、販売場はお店になります。
今回の飲食店での店頭陳列販売もこの一般酒類小売業免許が必要になります。
既製品のお酒を物販用として、卸売業者や製造者から仕入れて販売するだけではなくて、例えばオリジナルラベルを貼った日本酒を酒蔵に作ってもらって小売したい場合も、この免許になります。
通信販売酒類小売業免許
この免許も酒類小売業免許のひとつですが、通信販売(2都道府県以上の広範な地域の消費者等を対象として、商品の内容、販売価格その他の条件をインターネット、カタログの送付等により提示し、郵便、電話その他の通信手段により売買契約の申込みを受けて当該手掲示した条件に従って行う販売をいう)によって酒類を販売(小売)することができる酒類小売業免許です。
通信販売の定義が分かりにくいですが、要するに販売場以外の他県に向けて、ネットショップとかカタログなどで広告してネット注文やメール、電話、ファックスなどで注文を受けて配達するなどして行う販売方法です。
一般酒類小売業免許と違って、この免許では販売できる品目が限定される特徴があります。
この通信販売酒類小売業免許の制約についてはかなりややこしいので、今回は割愛いたします。当ブロブでも他の記事で紹介しています。


現実的にはお考えのビジネスプランを伺って、どちらかの免許を取得することが必要になるか、両方とも必要になることも十分あり得ます。
つまりお店の店頭でも売りたいし、通販でECサイトのネットショップでも販売したいというケースも十分あるかと思います。
スイング行政書士事務所は、全国でも珍しい酒類販売業免許申請を専門業務としています。
毎日、全国からお問い合わせをいただいており、豊富なノウハウを誇ります。
お住いのお近くに、酒類販売業免許に詳しい行政書士の先生が見つからない時は、お気軽にご相談ください。電話やメール、郵送のやりとりで完結していますので、全国対応です。
酒類卸売業免許
酒類販売業者または酒類製造業者に対して酒類を継続的に販売(卸売)することが認められる酒類販売業免許です。
酒類卸売業免許はさらに8種類に分かれています。
- 全酒類卸売業免許
- ビール卸売業免許
- 洋酒卸売業免許
- 輸出入酒類卸売業免許
- 店頭販売酒類卸売業免許
- 協同組合員間酒類卸売業免許
- 自己商標酒類卸売業免許
- 特殊酒類卸売業免許
特にこの中で、一般的に関わってくるものは、下記の5種類が考えられます。
- 全酒類卸売業免許
- ビール卸売業免許
- 洋酒卸売業免許
- 輸出入酒類卸売業免許
- 自己商標酒類卸売業免許
全酒類卸売業免許やビール卸売業免許は要件が厳しいため、一般的には下記の3(4)種類が特に取得を考えるケースが多いと言えます。
洋酒卸売業免許
果実酒、甘味果実酒、ウイスキー、ブランデー、発泡酒、その他の醸造酒、スピリッツ、リキュール、粉末酒及び雑酒の全て又はこれらの酒類の品目の1以上の酒類を卸売することができる酒類卸売業免許です。
洋酒=外国産のお酒ではありませんので注意しましょう。洋酒とは主にヨーロッパや北米などの西洋に由来する製法でつくられたアルコールの総称した呼び名です。
つまり国産ウイスキーも洋酒ということになります。
この免許もビジネスプランによって、他の免許と併せて必要になることが多いです。
輸出入酒類卸売業免許の輸入酒類卸売業免許
輸出入酒類卸売業免許という括りになっていますが、分けて考えた方が分かりやすいです。
輸入酒類卸売業免許は、自己が輸入した酒類を卸売することができる酒類卸売業免許です。
間違えやすいのは、輸入酒類を卸売する免許ではありません。
他の卸売業者が外国から輸入したお酒を、販売してもらうのではなく、自らが外国から輸入したお酒を卸売りするための免許になります。

輸出入卸売免許要件は下記をご覧ください

輸出入酒類卸売業免許の輸出酒類卸売業免許
自己が輸出する酒類を卸売することができる酒類卸売業免許です。
卸売業免許ですが、国外に売ってしまうので現実的には小売でも卸売でもあまり関係なく、外国に売る場合に必要になると考えていた方が良いと思います。こちらもビジネスプランを伺ってからの判断が必要かと思います。

自己商標酒類卸売業免許
自らが開発した商標又は銘柄の酒類を卸売することができる酒類卸売業免許です。つまり酒類製造業者に委託製造してもらったプライベートブランドやOEM、キャラクターなどのラベルを貼ったお酒などが該当します。
この免許もかなりニーズが多い免許になります。
先に一般酒類小売業免許で書きましたが、オリジナルラベルを貼った日本酒を酒蔵に作ってもらって小売したい場合は一般酒類小売業免許で店頭販売できますが、もしもオリジナルラベルと貼った日本酒を他の酒類販売業免許を持っている業者に卸売をしたい場合は、この自己商標酒類卸売業免許が必要になります。
酒類小売業免許の要件とは?
では、ここでは飲食店で酒類販売業免許を取る想定で考えていますので、卸売免許ではなく小売業免許で考えたいと思います。
詳しくは下記で説明していますので、ここではざっくりと全体像をお話いたします。
これから説明する、申請者、申請者の法定代理人申請法人の役員、申請販売場の支配人及び申請販売場が各要件を満たしていることが必要となっています。
酒類小売業免許には4つの要件があります。
- 人的要件
- 場所的要件
- 経営基礎要件
- 需給調整要件
人的要件について(抜粋)
お酒の製造や販売などで過去3年以内に許可などの取消処分を受けた場合は、この要件を満たさないということになります。
また、申請者が申請前2年内において国税または地方税の滞納処分を受けたことがないことも必要です。
申請者が未成年飲酒禁止法、風俗営業等の規制および業務の適正化等に関する法律(20歳未満の者に対する酒類の提供に係る部分に限る)、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律、刑法(傷害、現場助勢、暴行、凶器準備集合および結集、脅迫または背任の罪)または暴力行為等処罰に関する法律の規定により、罰金刑に処せられた者である場合には、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から3年を経過していることも必要です。
細かい点はここでは省略していますが、一般的には税金の滞納や未納がないかという点がポイントになってくるかと思います。
詳しくはこちらもご覧ください。

場所的要件について(抜粋)
正当な理由がないのに取締り上不適当と認められる場所に販売場をもうけようとしていないこととされていますが、具体的な説明をします。
詳しくは下記の記事をお読みください。

この場所的要件は、人によってはなかなかのハードルにもなってしまうことも多い重要な要件です。
詳しくは下記をご覧ください。

経営基礎要件について(抜粋)
免許の申請者が破産手続開始の決定を受けて複権を得ていない場合のほか、その経営の基礎が薄弱であると認められる場合に該当しないこととなっています。
後半の経営の基礎が薄弱であると認められるというのが、以下になります。
- 現に国税または地方税を滞納している場合
- 申請前1年以内に銀行取引停止処分を受けている場合
- 最終事業年度における確定した決算に基づく貸借対照表の繰越損失が資本等の額を上回っている場合
- 最終事業年度以前3事業年度の全ての事業年度において資本等の額の20%を超える額の欠損を生じている場合
このうち最初の2つは読めばわかりますが、最後の二つが分かりにくいので下記で説明しています。

ここでは一部抜粋して紹介していますが、他にも重要なものとしては、
経験その他から判断し、適正に酒類の小売業を経営するに十分な知識および能力を有すると認められる者またはこれらの者が主体となって組織する法人であることとなっています。
ここは、税務署によっても判断基準がかなりバラバラなのでしっかりと確認して進めるようにした方が良いです。
需給調整要件について(抜粋)
最後に需給調整要件です。ここは一般酒類小売業免許と通信販売酒類小売業免許ではかなり異なりますので、下記をご覧ください。
一般酒類小売業免許はこちら

通信販売酒類小売業免許はこちら

一般酒類小売業免許では、酒税の保全上酒類の需給の均衡を維持する必要があるため酒類の販売業免許を与えることが適切でないと認められる場合に該当しないこととなっています。
これは、申請者が、①設立の趣旨からみて販売先が原則としてその構成員に特定されている法人または団体、②酒場、旅館、料理店等酒類を取り扱う接客業者でないことが必要となります。
これらの要件について
酒類販売業免許の要件のチェックはかなり要件が多く、分かりにくい上に税務署によって判断基準がことなるようなポイントも多々あります。
そのため判断が非常に難しい部分がありますので、酒類販売業免許申請に特化した専門家に相談することをお勧めいたします。
申請に向けての流れ
販売場の住所を管轄する税務署長が免許を交付することになりますが、実際の審査は各都道府県に4か所くらいある酒類指導官が設置されている税務署で審査が行われます。
申請自体は、住所地を管轄している税務署に申請書類を提出することになりますが、審査中には税務署から追加で書類を求められたり、色々な質問をされることがあります。
一般の方ですと、正直これらの対応もかなりのストレスになるかと思います。
弊所のように専門的に日常的に行っている行政書士であれば、申請後の補正指示なども全て行政書士があなたの代わりに代理をしてくれます。
つまり、税務署からの連絡は、申請者であるあなたではなく、代理した行政書士に来ますので行政書士が対応してくれます。
ここでも場数を踏んでいるかがとても重要で、酒類販売業免許申請になれている行政書士ならなるべく円滑に進めるように対応してくれることでしょう。
提出書類は多いときは150ページにもなる
税務署で定められている申請書や、これから1年間の収支計画書、販売場の図面作成、誓約書などを作成して、更に納税証明書、預金残高、法人なら過去3年分の決算書類や会社の定款、販売場の土地と建物の履歴事項全部証明書、賃貸借契約書の写し、他にも必要に応じて契約書や承諾書など様々な書類を用意することになります。特に通信販売では製造者からの証明書の添付も申請内容次第では必要になります。
これらは単に集めるだけではなく、全体として申請内容と整合性が無ければ間違いなく税務署から確認の電話が掛かってきます。
全て用意して数えてみると、申請する免許内容や、添付書類の量は案件ごとにかなり異なりますが、通常でも70ページくらいはありますし、多いときは120ページとか150ページになることもあります。
これだけの書類を目を通して、整合性を維持して申請書を作成することは、慣れていない一般の方々ではなかなか難しいかと思いますし、行政書士でも酒類販売業免許申請をやっていないと、ポイントが分からないので非常に難しいかと思われます。
他にやることは?
法人の場合で定款の目的を変更しなければならない場合は、定款変更をして登記する必要があります。登記は司法書士の仕事ですので最終的にはご自身でされない場合は、司法書士が行うことになります。
他には、酒類販売管理研修というものがあり、申請者の経歴にも依りますが、登記上の役員(監査役を含む)のどなたかが酒類販売管理研修を受ける必要性が出てきます。
さらに、現場で酒類販売に従事する方が別の方(社員など)の場合は、その方にも受講していただき、その方を酒類販売管理者に選任します。酒類販売管理者は3年毎に研修を再受講する必要があります。
その他には、酒類の保管・発送を外部で行う場合は蔵置所設置報告書の提出も必要になります。
審査にかかる時間は?
申請してから審査が終わり免許が交付されるまでには、標準処理期間として2か月と定められています。
早く免許が交付されることも多々ありますが、原則的にはスムーズに行って2か月だという認識が良いです。
もしも審査中に求められた書類などの手配に時間が掛かってしまった場合は、最悪取下げになる可能性もありますし、この対応待ち時間というのは審査が基本的には止まっているので、2か月にプラスされて掛かってしまうことになります。
特に新規申請では税務署によっては審査期間いっぱいまで使って慎重に審査がされることも良くあります。このような場合で審査が止まってしまうとトータルでかなり長い期間がかかって審査が終わることになりますのでご注意ください。
費用について
免許の審査が終了すると、登録免許税の支払いをすることになります。
小売免許だけなら3万円となります。一般酒類小売業免許だけでも、一緒に通信販売酒類小売業免許も取っても、小売免許だけなら3万円です。
もしも卸売免許を取った場合は、登録免許税は9万円になります。
一般酒類小売業免許と洋酒卸売業免許を取った場合でも9万円です。3万円+9万円=12万円ではありません。最大で9万円と考えてください。
さいごに
お酒の販売は、免許制なので誰でも気軽に参入できるものではありません。
だからこそ頑張って取っただけの価値があると思いますので、是非競合他店との差別化をしてビジネスに活かしてはいかがでしょうか?
きちんと法令遵守すれば、酒類販売業免許は永久免許ですので、免許自体は更新の必要はありません。※変更事項などがあれば異動の届出などは必要になります。
スイング行政書士事務所は、全国でも珍しい酒類販売業免許申請を専門業務としています。
毎日、全国からお問い合わせをいただいており、豊富なノウハウを誇ります。
お住いのお近くに、酒類販売業免許に詳しい行政書士の先生が見つからない時は、お気軽にご相談ください。
電話やメール、郵送のやりとりで完結していますので、全国対応です。







