一般酒類小売業免許申請の経営基礎要件とは?酒類販売業免許申請を専門にしている行政書士が分かりやすく解説します。
酒類販売業免許申請の専門行政書士事務所、スイング行政書士事務所です。
今回は、「一般酒類小売業免許」を取得するために必要な経営基礎要件についてご説明します。
情報が少なく分かりにくい酒類販売業免許について、専門業務としているスイング行政書士事務所が分かりやすく説明いたします。
酒類販売業免許
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一般酒類小売業免許の要件とは
一般酒類小売業免許を受けるためには、申請者、申請者の法定代理人申請法人の役員、申請販売場の支配人及び申請販売場が各要件を満たしていることが必要となっています。
つまり酒類小売業免許というのは「人」と「場所」に対して要件を満たしていれば交付がされることになります。
次回以降に説明いたしますが、経営に関する要件もありますので、いわゆる「ヒト・モノ・カネ」を満たしていくようなイメージで捉えると理解がしやすいでしょう。
酒類小売業免許には4つの要件があります。
- 人的要件
- 場所的要件
- 経営基礎要件
- 需給調整要件
今回はこの中から「経営基礎要件」について説明いたします。
経営基礎要件について
免許の申請者が破産手続開始の決定を受けて複権を得ていない場合のほか、その経営の基礎が薄弱であると認められる場合に該当しないこと
この要件も前回の場所的要件と同様に、シンプルに条文はこれだけです。
特に後半の経営の基礎が薄弱であると認められるというのが、具体的に分からないと判断ができないですね。
具体的な説明
申請者(申請者が法人のときはその役員(代表権を有する者に限ります。)または主たる出資者を含みます。)が以下に掲げる要件を充足するかどうかで判断をします。
イ 現に国税または地方税を滞納している場合
酒類販売業免許の申請は、税務署にしますので国税の部分は税務署でチェックされますが、地方税などは分からないので、申請の提出書類として納税証明書が必要になります。
ロ 申請前1年以内に銀行取引停止処分を受けている場合
ハ 最終事業年度における確定した決算に基づく貸借対照表の繰越損失が資本等の額を上回っている場合
まず、資本等の額とは貸借対照表(BS)の純資産の部に書かれている「資本金」+「資本剰余金」+「利益剰余金」-「繰越利益剰余金」のことです。
直近の期の確定した繰越利益剰余金の金額がプラスであればこの「ハ」に関しては問題ありません。
もしゼロ以下(つまりマイナス)になっている場合は、繰越利益剰余金と資本等の額の数字を比べます。この時にプラスマイナスは無視して考えます。
例えば繰越利益剰余金がマイナス300万 円だとして資本等の額が200万 円なら、資本等の額を上回っているので要件は見たさないのでNGということになります。
もし資本等の額がマイナス400万 円なら、資本等の額の数字の方が多いので、この要件はクリアしていることになります。
とても大事なポイントなのですが、分かりにくい部分でもあります。
簡潔に言えば、債務超過でないかを見ていることになります。
ニ 最終事業年度以前3事業年度の全ての事業年度において資本等の額の20%を超える額の欠損を生じている場合
過去3期分の決算書を確認します。もし御社が現在8期目で7期目の決算書は確定しているなら、5・6・7期目の決算書が対象になります。
各事業年度ごとに資本等の額を計算します。そしてその20%がいくらになるのか計算します。
続いて各事業年度の損益計算書の一番最後の項目の「当期純利益」(マイナスなら「当期純損失」)を確認します。
上記で計算した20%の値と当期純損失を比べて、当期純損失の値の方が大きければ要件を満たさないことになります。
ここで注意したいのは、3期分の全ての事業年度となっていますので、この3期中のどれか1期以上が当期純損失ではなく、当期純利益になっていれば、そもそもこの要件はクリアしていることになります。
ホ 酒税に関係のある法律に違反し、通告処分を受け、履行していない場合または告発されている場合
ヘ 販売場の申請場所への設置が、建築基準法、都市計画法、農地法、流通業務市街地の整備に関する法律その他の法令または地方自治体の条例の規定に違反しており、店舗の除却または移転を命じられている場合
ト 申請販売場において、酒類の適正な販売管理体制が構築されないことが明らかであると見込まれる場合
このあたりは読んだ通りですね。
チ 経験その他から判断し、適正に酒類の小売業を経営するに十分な知識および能力を有すると認められる者またはこれらの者が主体となって組織する法人であること
上記の「ハ」「ニ」と並んで、ネックになる要件の一つになります。
判断基準が無いと見当がつかないので下記のように説明があります。
申請者(申請者が法人の場合はその役員)および申請販売場の支配人がおおむね次に掲げる経歴を有する者で、酒類に関する知識および記帳能力等、酒類の小売業を経営するに十分な知識および能力を有し、独立して営業ができるものと認められる場合は、原則として、この要件を満たすものとして取り扱うこととしている。
①免許を受けている酒類の製造業もしくは販売業(薬用酒だけの販売業を除く)の業務に引き続き3年以上直接従事した者、調味食品等の販売業を3年以上継続して経営している者またはこれらの業務に従事した期間が相互に通算して3年以上である者。なお、これらの従事経験や経営経験がない場合には、その他の業での経営経験に加え「酒類販売管理研修」の受講の有無等から、酒類の特性に応じた商品管理上の知識および経験、酒税法上の記帳義務を適正に履行する知識および能力等、酒類の小売業を経営するのに十分な知識および能力が備わっているかどうかを実質的に審査することになる。
②酒類業団体の役職員として相当期間継続して勤務した者または酒類の製造業者もしくは販売業の経営者として直接業務に従事した者等で酒類に関する事業および酒類業界の実績に十分精通していると認められる者
具体的に数字で示されている部分があります。酒類の製造業や販売業に3年以上従事したものや調味食品等の販売を3年以上経営や従事した期間があるものであれば良いとされています。
実際のところ、実務上でご相談を受ける案件では、これらをキッチリ満たせている方はなかなか居ないです。法人の経営者や個人事業主としての経験が3年以上あれば、経営能力的には問題ないと判断されるような手ごたえを感じています。ですが3年に満たなくても免許が交付される場合も十分にあり得ます。
サラリーマンが副業で始めたいと考えた時には、既に何かしらで個人事業主をやっていて数年くらい経っていれば、他のアピールできそうな要素を見つけていけばこの要件はクリアできる可能性も十分にあります。
この要件では、3年と具体的な数字が出ていますが、実際のところは総合的な判断をしているというのが実情です。厳密に3年でないと難しいケースもありましたし、あまり問われなかったケースもあります。審査する税務署の基準が結構違いがあります。
リ 酒類を継続的に販売するために必要な資金、販売施設および設備を有していること、または必要な資金を有し免許を付与するまでに販売施設および設備を有することが確実と認められること
資金については金額で具体的に示されているわけではありませんが、申請には年間の事業計画書を作成する必要があります。
この際に適正に事業が運営できるだけの資金が問われてきます。
さいごに
経営基礎要件は、4つある要件の中でもハードルとなる部分です。
経験的なものは、今更どうにもできない部分ではあるので、十分なヒアリングが必要となります。
スイング行政書士事務所は、全国でも珍しい酒類販売業免許申請を専門業務としています。
毎日、全国からお問い合わせをいただいており、豊富なノウハウを誇ります。
お住いのお近くに、酒類販売業免許に詳しい行政書士の先生が見つからない時は、お気軽にご相談ください。
電話やメール、郵送のやりとりで完結していますので、全国対応です。

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