【行政書士が徹底解説】トラック運送業の「5年更新制」はいつから?確実・不確実な情報の整理と今すべき対策
はじめに:この記事を書いた専門行政書士について
こんにちは。一般貨物自動車運送事業の許可申請やコンプライアンス支援を専門としている行政書士のスイング行政書士事務所千葉です。
日々多くの運送事業者様からご相談を受ける中で、最近特に多いのが「運送業の許可が5年更新制になるって本当?」「いつから始まるの?」という声です。
日々多くの運送事業者様からご相談を受ける中で、最近特に多いのが「運送業の許可が5年更新制になるって本当?」「いつから始まるの?」という声です。
現在、インターネット上には様々な記事が飛び交っており、憶測で書かれた情報も少なくありません。そこで本記事では、運送業許可の専門家として、国土交通省の公式発表(PDF資料など)に基づく「確実な情報」と、ネット上で推測で語られている「現時点では不確実な情報」を明確に整理しました。読者の皆様の疑問を解決し、今後どのように備えるべきかをお伝えします。
スイング行政書士事務所は運送業許認可を専門業務として行っておりますのでご相談をお受けしております。

役員法令試験 運送業許認可申請 霊柩・霊きゅう運送許可申請 更新制 スイング行政書士事務所
千葉県八千代市スイング行政書士事務所は、役員法令試験 運送業・霊きゅう運送の許認可申請などをしています。
トラック運送業「5年更新制」のポイント
お急ぎの方や、要点だけを知りたい方のために、まずは結論からお伝えします。
一般貨物運送業許可は更新制になる
これまで原則「無期限」だったトラック運送業の許可に、5年ごとの更新制度が導入されます。
施行時期(いつから?)
令和7年(2025年)6月11日の法律公布から「3年以内」に施行・開始される予定です。(※即時スタートではありません)
更新の条件
新たに「法令を遵守して事業を遂行することが見込まれること」が許可基準に追加され、安全確保、社会保険料の納付、労働環境などがチェックされます。
同時に始まる重要ルール(適正化二法)
「適正原価」を下回る運賃の制限、再委託(多重下請け)の2回までの制限(努力義務)、違法な「白トラ」利用の禁止・罰則化などが導入されます。
ここからは、国交省の資料に基づく確実な事実と、ネット上の不確実な情報を切り分けて詳しく解説します。
専門行政書士が解説!国交省の資料に基づく「確実な情報」
ここでは、法律や国土交通省の公式資料に明記されている確実な事実を整理します。
① 5年ごとの更新制の導入と目的
トラック運送事業の許可について、5年ごとの更新制が導入されます。更新を受けなければ許可の効力は失われます。 この目的は、ドライバーの担い手不足や2024年問題に対応し、法令違反を繰り返す悪質事業者を排除すること、そして運送業界の質を向上させることにあります。
② 施行時期のスケジュール
「いつから始まるか」については、令和7年(2025年)6月11日に法律が公布され、「3年以内を目途として必要な措置を講じる」「申請及び審査の開始は3年以内(2年の経過措置)」とされています。したがって、2025年の今すぐ全員が更新を求められるわけではありません。
③ 更新審査の重要ポイント
許可基準に「法令の規定を遵守して事業を遂行することが見込まれること」が追加されます。これにより、以下のような項目が厳格に審査されることになります。
- 輸送の安全確保(点呼や車両点検の実施)
- 社会保険料の納付状況
- 労働者の適切な処遇確保(過労防止や適正な賃金の支払い)
④ 並行して導入される「3つの重要ルール」
更新制だけでなく、運送業界の構造を適正化するためのルールも施行されます。
- 多重下請けの制限(令和8年4月1日施行): 元請として引き受ける場合、再委託の回数を原則2回(2次下請け)までに制限することが努力義務化されます。また、元請事業者には「実運送体制管理簿」の作成が義務付けられます。
- 「適正原価」のルール: 燃料費や人件費を反映した「適正原価」が告示され、発注者・受注者ともにこれを下回らない運賃で取引することが求められます(標準的運賃は廃止されます)。
- 「白トラ」対策の強化: 無許可の「白トラ」を利用した運送委託が明確に禁止され、違反した荷主等も取締りや罰則(100万円以下の罰金など)の対象となります。
2. ネット上の推測に注意!「現時点では不確実・信用できない情報」
【不確実な情報】具体的な「開始年」の断定
一部の記事では「2025年4月から即施行」「開始は西暦2030年から」と断定的に書かれていますが、公式資料では前述の通り「令和7年6月の公布から3年以内」としか決まっていません。
【不確実な情報】既存事業者の「更新順」のルール
「貸切バス事業の更新制にならい、許可を受けた年の西暦一桁目で更新する年が決まる」と予想している記事がありますが、これも現時点では推測に過ぎません。確かに旅客運送事業では過去に更新制が導入されていますが、全く同じような運用がされるという根拠はありません。
【不確実な情報】 「AI審査」や「オンライン申請」の詳細
「電子申請が主流になる」「AIやRPAによる機械処理で形式審査される可能性がある」といった記述も見受けられますが、今後の具体的な手続き方法や必要書類については、現時点では分からないのが実情です。
3. 更新制に向けて運送事業者が「今からやるべき対応策」
具体的な更新手順は未定ですが、「安全に、適法に事業を行っているか」が問われることは確実です。直前に慌てないよう、以下の点から社内体制を見直しましょう。
- 日々の記録の徹底: 点呼記録簿、運転日報、アルコールチェック記録、労働時間の管理など、法定の帳票類を漏れなく正確に記録し、保存する体制を整えましょう。
- 労働環境・社会保険の適正化: 社会保険の未加入や賃金未払いは論外です。ドライバーの拘束時間や休息時間の基準(改善基準告示)を守れるよう、運行管理を見直してください。
- 適正運賃の交渉と契約の見直し: 新たな「適正原価」ルールや、再委託2回までの制限に向けて、自社のコストを把握し、荷主や取引先と適切な運賃交渉を行う準備を始めましょう。
まとめ:5年更新制は「淘汰」ではなく「健全な企業が評価される」チャンス
これからの運送業界は、許可を「取って終わり」ではなく、「適正に維持し続ける」時代に入ります。5年更新制は一見すると厳しい規制に思えるかもしれませんが、見方を変えれば、コンプライアンスを遵守し、ドライバーを大切にする健全な事業者が正当に評価され、生き残れる市場になるということです。
スイング行政書士事務所では、運送業許可の専門家として、事業者の皆様が日々の業務を適正に行えるよう、コンプライアンス体制の構築や書類整備をサポートしています。 「自社の現状で更新できるか不安だ」「何から手をつければいいかわからない」という方は、ぜひ一度、当事務所までお気軽にご相談ください。
運送業許可申請





